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喉頭がんの概要
喉頭がんは、喉頭(声帯を含む部分)に発生する悪性腫瘍です。喉頭は、発声や呼吸、飲食物の誤嚥防止など、私たちの生活にとって欠かせない役割を担っています。部位によって、声門がん・声門上がん・声門下がんの3つに分類されます。
予防とリスク管理
- 禁煙・節酒:喫煙は最も大きなリスク要因であり、過度な飲酒も発症リスクを高めるため、適量を守ることが大切です。
- 定期検診:早期発見のため、リスクのある方は定期的に耳鼻咽喉科を受診。
喉頭がんの症状
喉頭がんの初期症状として最もよく見られるのが、声のかすれ(嗄声)です。「風邪をひいたのかな?」と軽く考えがちですが、長引く場合は注意が必要です。その他の症状として、次のようなものがあります。
- 喉がヒリヒリするような痛み
- 飲み込みにくさや嚥下痛
- 持続的な咳や痰
- 息苦しさ
これらの症状が2週間以上続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
喉頭がんの診断方法
- 内視鏡検査
- 組織検査(生検):腫瘍の一部を採取し、病理検査を実施。
- CT・MRI・PET-CT:腫瘍の進展度や転移の有無を調査。
- 血液検査:腫瘍マーカーの測定で補助診断を行うことがあります。
近年では内視鏡技術の進歩により、より詳細な診断が可能になっています。
喉頭がんの進行度
喉頭がんの進行度(ステージ)は、がんの大きさや広がり、リンパ節や他の臓器への転移の有無によって分類され0期〜Ⅳ期に分類されます。詳しくは、国立がん研究センターがん情報サービスをご参照ください。
(https://ganjoho.jp/)
喉頭がんの治療法
喉頭がんの治療法は、がんの進行度(T分類やN分類)や喉頭の機能の温存についての希望などにより、手術(外科治療)や放射線治療、薬物療法などを用いて行います。また年齢を含めた体の状態を総合的に検討し話し合いにて決定します。
- 早期:喉頭温存手術、放射線治療など
- 進行例:喉頭全摘術、放射線化学療法など
- 遠隔転移や再発例:免疫チェックポイント阻害剤も選択肢。
喉頭がんは早期に発見できれば、治療の選択肢も広がり、声を残せる可能性も高くなります。声の変化や喉の違和感を感じたら、医療機関を受診することが大切です。特に、喫煙や飲酒の習慣がある方は、定期的な検診を受けることをおすすめします。また、日頃から喉を大切にし、健康的な生活習慣を心がけることが予防につながります。
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