医学、医療の進歩は、人類に様々な恩恵をもたらしてきましたが、一方で人を救うはずの医療行為が人々を苦しめる結果になることもあります。今日の医療は以前とは比べられないほど複雑さを増しており、予期せぬ問題が発生することもあります。また、見落としや勘違いなどで誤った判断を下すこともあります。原因は様々であっても、ひとたび患者さんにとって不利益な状況が発生した場合、「医療ミスだ!」と非難されることは決して稀ではありません。実際にインシデントやアクシデントの発生要因を検証すると、最善とは言えない判断や医療行為が明らかになることも少なくありません。医療は人間が提供する行為であるかぎり、「ミス」とは無縁ではいられないのです。セオドラ・ルーズベルトは、「ミスをしない人間は、何もしない人間だけだ。」と言っています。何もしなければ、ミスも起こしません。しかし、私たち医療者は病に苦しむ患者さんを救うために、手を差し伸べるという使命があります。ミスを怖れて手をこまねいているわけにはいかないのです。そこには絶えずエラーやミスの可能性が潜んでいます。私たちはまずその認識をもって医療行為を遂行し、間違いを最小限に抑えるように心がけなければなりません。毎日の多忙な業務の中にあっても、どんなリスクが潜んでいるかを考え、不測の事態に備えておかなければなりません。そこには、謙虚さと正義の心が不可欠です。それは個人のみならず、チームとして日頃から話し合っておくことが重要です。そして、そのチームの中心には患者さんがいることを忘れてはなりません。
当院では患者さんも含めたチーム医療を推進し、より安全で良質な医療を提供できるよう医療安全管理指針を定めております。この指針が皆さんの日々の医療安全への取り組みの拠り所になることを期待しています。しかし、医療安全にゴールはなく、絶えず進化することが求められています。この指針を当院の医療安全体制の根幹に据えながら、職員の皆さんの力でより良いものに成長させて頂きたいと願っています。
令和8年4月1日
統括安全管理者
三原 久範
横浜南共済病院では、患者の立場に立ち、患者が安心して医療を受けられる環境を整えるために、次に掲げる基本方針を定める。
横浜南共済病院では、患者の立場に立ち、患者が安心して医療を受けられる環境を整えるために、安全管理(医療)・事故防止対策を病院全体で取り組む。
横浜南共済病院では、安全推進委員会が、医療過誤・事故等の原因究明と予防対策の検討及び推進に関する事項を統括する。
(1)委員会は1ヶ月に1回、定期的に開催することとする。 ただし、委員長が必要と認めた場合は、臨時に開催することができる。
(2)審議事項等についての詳細は、安全推進委員会の理念・要綱に定める。
(3)オカーレンス・レポートなど各情報の分析・評価に基づき、リスクの把握・改善策、病院の安全管理対策について審議する。
(4)安全推進委員会等に於いて分析・把握した結果は、病院職員(委託業者を含む)全体で共有する。
対策室は病院長の命を受け、安全推進委員会と連携し、院内の診療に関わる安全管理業務を行う権限を有する。
(1)統括安全管理者
(2)安全管理対策室室長
安全管理対策室室長は、医療安全管理者及び安全管理対策室事務担当を統括し、医療安全管理業務を行う。
(3)医療安全管理者
統括安全管理者及び安全管理対策室室長から権限を委譲され、病院の理念・方針に基づき医療の安全を図り、医療・看護のサービスの質の向上を図るため、他部門と連携し、医療安全のための活動を行う。尚、所定の医療安全管理研修を終了し、専従で医療安全業務を担う。
(4)医薬品安全管理責任者
医薬品安全管理責任者は薬局長とし、病院長の指示の下、次に揚げる業務を行う権限を有する。
(5)医療機器安全管理責任者
医療機器安全管理責任者は臨床工学技士とし、病院長の指示の下、次に掲げる業務を行う権限を有する。
(6)医療放射線安全管理責任者
医療放射線安全管理責任者は、放射線科部長とし診療用放射線の安全利用のため、次に掲げる業務を行う権限を有する。
(7)セーフティマネージャー
安全推進委員会の下部組織として、各部署・各部門から選出されたセーフティマネージャー(以下「SM」と略す)により構成される。 SMは、必要と思われる時は所属長や関係各部署を交えて、レポート内容を検討する。各部署では、インシデント・アクシデント事象検討会を定期的に開催し、各事象の検討、対策立案、評価、修正を行う。