診療受付時間

8:00〜11:30(平日)※新患受付は10:30まで

休診日

土・日・祝日創立記念日(2024年度は6月14日(金))
年末年始(12月29日〜1月3日)

面会時間

14:00~18:00(平日・土・日・祝日)

救命救急センターのご案内

ご来院される前に必ずお電話ください。

045-782-2101

患者出入口利用時間

※敷地内全面禁煙

病院からのお願い

脳神経外科外来医師担当表

  • 診療部門のご紹介
  • 医師紹介
お知らせ掲示板

はじめて受診される際は、紹介状が必要です。

目次

概略

  • 頭部外傷や脳卒中の診療は、脳神経内科と協力し、24時間365日対応しています。
  • 脳神経外科として、外科治療が必要かどうか見極め、必要に応じて他科や高次医療機関に紹介します。
  • 未破裂脳動脈瘤などの脳血管障害に対しては、開頭手術だけでなく、脳血管内手術(カテーテル手術)も行えます。
  • 「なんでも手術」ではなく、患者さんのニーズに応じた対応をしています。

脳神経外科で扱う傷病

脳神経外科は、一般的に、脳・脊髄・末梢神経の病気の中で、外科治療(手術)を必要とするものや、神経組織の外傷を扱います。
当院の脳神経外科は、脳卒中・あるいは脳卒中を引き起こしかねない脳血管の病気(脳血管障害)や外傷の診療を得意としています。

脳神経外科と脳神経内科との違い

脳神経内科は、脳・脊髄・末梢神経の病気の中で、外科治療(手術)を必要としないものを扱うのが一般的です。しかし、脳神経外科と脳神経内科の“棲み分け”は、国によっても異なりますし、本邦でも病院によりだいぶ異なります。

外傷はさすがに脳神経外科でしょうし、すでにどこかの医療機関を受診しての紹介状持参の患者さんは、そこに書かれた診療科を受診すればよいと思います。
おそらくこのホームページを見ている患者さんの多くは、初めて受診される方が多いと思います。まだ診断がついていない場合は、患者さんご自身が脳神経外科か脳神経内科かを的確に判断することは不可能です!ここ横浜南共済病院では。脳神経外科と脳神経内科の関係は良好なので、どちらを受診しても、適切な診療科に導かれることになるでしょう。
したがって、とにかく迷ったらどちらかを受診すればよい、ということになりますが、脳神経外科は手術を行う診療科なので、手術日は外来診療を縮小せざるを得ません。また、脳神経外科がいいのか、脳神経内科がいいのか、私たちでも迷う場合があります。その際は“併診”という手続きを経てお互いの科を受診していただくこともあります(くれぐれもこれを“たらいまわし”と言わないでください!)。

どの医師の診療を受けたらよいのか

当院の外来の初診は、原則、日本脳神経外科学会認定の専門医、すなわち脳神経外科の一般的なことについて十分な知識をもった医師が対応します。ただし、脳神経外科というだけですでに専門性が高いのですが、腫瘍、血管障害、外傷、脊髄・末梢神経、機能、先天奇形など、さらに細かく専門性が分かれています(“サブスペシャリティー”といいます)。担当医にはサブスペシャリティーがあることはご了解ください。サブスペシャリティーについては「医師紹介」を、外来日については「診療体制表」参照してくださいますよう、お願いいたします。

当科の受診の方法

はじめて受診の患者さんは、紹介状が必要です。これは医療制度の上で必要です。ご面倒ですが、原則、従ってくださいますようお願いいたします。
医療機関にお勤めの先生が、火急に脳神経外科受診が必要とご判断された場合は、地域医療連携室に直接ご連絡いただければ、当番医師が迅速に対応いたします。
救急車を要請された場合は、救急隊が適切な診療科を選定しますのでそれに従ってください。
夜間・休日に、患者さんが駆け込みで受診されるケースもありますが、可能な限り対応いたします。

当院の脳神経外科が扱う傷病

脳腫瘍

当院の脳神経外科では、診断の予測をつけ、当院で治療できるものは当院での治療をお勧めしますが、高次医療機関あるいは治療装置を有する医療機関へ紹介するケースがあります。

ひとことで脳腫瘍といっても、その組織形は非常に多彩です。そのなかで、当院で多く見られるのは、悪性では、膠芽腫・脳原発悪性リンパ腫・他の部位のがんが脳に転移した転移性脳腫瘍、良性では、髄膜腫、聴神経鞘腫、下垂体腺腫です。

腫瘍は摘出のための手術を行うことがあります。しかし、脳の決まった部位に生じる腫瘍(聴神経鞘腫、下垂体腺腫など)を除いて、脳のいろいろな場所に生じます。手術による摘出が困難な場所に発生することがあり、発生部位により治療方針が変わることがあります。また、手術による摘出より放射線照射や化学療法(いわゆる抗がん剤)が著効するタイプもあります。悪性の場合は、手術・放射線・化学療法を組み合わせて行う集学的治療の対象となることが多いです。良性の場合は、手術はせずにまずは経過観察とするケースもあります。

脳腫瘍の存在自体は、CTやMRIなどの画像検査で比較的容易に分かりますが、脳腫瘍の組織形や悪性度は、画像検査では予測できず、診断をつけるための手術が行われる場合もあります。

治療の進歩は著しく当院で最新の治療に対応しきれない悪性腫瘍、頭蓋底部など手術が困難な部位に発生したもの、特殊な器材や技術をもちいる下垂体腺腫などは、大学など高次医療機関に紹介します。また、転移性脳腫瘍には、"定位放射線照射"が安全・有効なケースが多いのですが、これは治療装置を有する医療機関へ紹介しますが、なかには、脳全体に放射線を照射したほうがよい場合もあり、これは当院で対応いたします。

脳卒中、脳血管障害

“脳卒中(脳梗塞、脳内出血、くも膜下出血)”は、救急車の対応が主になりますが、当院は、脳神経内科と連携し、24時間365日の受け入れを行っています。とくに、脳梗塞超急性期の再開通療法(血栓溶解療法、カテーテルによる血栓回収療法)は常時行えます。
脳卒中をきたしうる、脳動脈瘤、脳動静脈奇形、頚動脈狭窄、もやもや病、硬膜動静脈瘻などの“脳血管障害”は、積極的に診療しております。

脳卒中、脳血管障害の手術は、いわゆる開頭手術のほかに、脳血管内手術(カテーテル手術)が盛んにおこなわれるようになってきました。最近は脳神経外科とカテーテル手術を担う脳血管内治療科が分かれている病院すらあります。それぞれのサブスペシャリティーを、という点ではよいのですが、当科は、患者さんに最も適した医療を選択するというコンセプトに重きを置いているので、入り口は脳神経外科一つとしています。

当科は、1.開頭手術に対して日本脳卒中外科学会認定の専門医(技術指導医)、および、脳血管内手術(カテーテル手術)に対して日本脳神経血管内治療学会認定の専門医(指導医)が在籍し、2. 科内のカンファランスで開頭手術とカテーテル手術のどちらにすべきかの議論を行ったうえで、患者さんに最適の方針を呈示できる診療体制としています。

とくに、脳血管内手術(カテーテル手術)は、この治療が日本で広まってきた当初からこの治療に携わり、神奈川・横浜の地で、最も古くから責任的立場で執刀・指導を2,800例以上携わった医師が2021年4月より当院に赴任し、診療を担っています。手術だけではなく治療後の経過を診ることも大切ですが、可能な限り長く外来で経過観察する方針としています。硬膜動静脈瘻や小児の血管障害といった稀少疾患に対しても対応いたします。

外傷

マスコミに載るような大きな事故など、いわゆる“高エネルギー外傷”の治療は、横浜市は外傷センターとして、横浜市立大学附属市民総合医療センターと済生会東部病院が設定されていますので当科で扱うことは少ないです。
しかし、多くの外傷は、“転倒して頭をぶつけた”といった軽微なものです。しかし、頭蓋内に出血していたり、経過観察のために入院すべき症例も多いです。小回りの利く当院はこのような患者さんもフットワークよく対応いたします。
軽微な外傷の後1~2か月たって、脳表に液状の血腫が貯留してきて不調を来す“慢性硬膜下血腫”が発生してくることがあります。当院周囲の地域は高齢者が多く、この慢性硬膜下血腫の手術件数は、年間80例程度と他の病院に比べて多いことが特徴です。

脊髄・末梢神経

手術が必要な場合、病院によって、脳神経外科が担うか整形外科が担うか違いがあります。
脊髄の手術については、当院は、整形外科が非常に優れた診療を行っておりますので、当科は脊髄の手術を積極的に行っていません。とはいっても、なかには整形外科では対応できす脳神経外科で対応すべき疾患もあります。その際は脊髄のサブスペシャリティーを有する病院を紹介します。
末梢神経については、当科では医師の経験値が少ないため積極的に行っていません。

機能

痛みを取るための外科治療、パーキンソン病などに行われる外科治療、てんかんに対する外科治療などがあります。
いずれも高度なサブスペシャリティーを要する領域であり、当科での対応は不可能ですので、必要な患者さんはしかるべき医療機関に紹介いたします。

先天疾患

とくに小児においては、高度なサブスペシャリティーを要する領域であり、当科での対応は不可能ですので、神奈川県立こども医療センターなどの高次医療機関に紹介します。

その他

頭痛

頭痛は一般的な症状ですが、なかには命にかかわるものが潜んでいます。当科では、頭痛を訴えてきた患者さんには、CTやMRI検査をできるだけ迅速に行い、それらをまず否定するようにします。
しかし、命にかかわる頭痛でないものほど、その原因は多岐にわたり、また、根深い問題が潜んでいることもあります。そういった難治例は、頭痛学会認定の“頭痛専門医”ご紹介します。

めまい

めまいも頭痛同様、一般的な症状ですが、なかには命にかかわるものが潜んでいます。患者さんの症状をよく聴取して丁寧な診察を行い、原因究明を行うのが基本です。しかし、頭痛同様、命にかかわるめまいでないものほど、その原因は多岐にわたり、また、根深い問題が潜んでいることもあります。当科では、めまいを訴えてきた患者さんには、CTやMRI検査をできるだけ迅速に行い、まず危険なものがないかを否定したうえで、別の診療科に併診したり、難治例は専門医にご紹介します。

しびれ

しびれも一般的な症状ですが、患者さんが訴える“しびれ”とはなにか、を見極めることがまず重要です。なかには脳卒中の症状であったり、放置すれば危険なしびれもあります。CTやMRI検査をできるだけ迅速に行い、まず危険なものがないかを否定したうえで、脳神経内科などの他の診療科と連携して診療を行います。

物忘れ(認知症)

最近の高齢化社会を反映してか、これを訴えてくる患者さんが多くなっています。いわゆる認知症の一症状として心配されていることと思います。アルツハイマーに代表される変性疾患など、いわゆる“老化現象”で治療し難いことも多いのですが、なかには放置すれば危険なものがあったり、治せる病気が潜んでいることもあります。まずはCTやMRI検査を受けてみることをお勧めします。頭痛同様、ときに原因が多岐にわたることもありますので、他の診療科と連携してできる限りの原因究明・治療に努めます。

正常圧水頭症

脳や脊髄はくも膜に被われ、脳脊髄液という水が循環しています。この脳脊髄液は、脳の内部にある“脳室”という部屋で産生され、くも膜下腔(脳とくも膜の間)を循環し、頭頂部にあるくも膜顆粒というところから血管の中に吸収されます。何らかの原因で、この脳脊髄液の循環吸収障害により脳室が拡大して、症状として1.歩行障害、 2.認知症症状、3.尿失禁などを慢性的に呈してくるのが、正常圧水頭症です。
正常圧水頭症は、一部の認知症をきたす病気と違い、適切な治療が行われば、症状が改善する可能性があります。

当科が最も力を入れて診療をしてきた領域ですが、2022年4月よりこの疾患に精通していた医師が他の病院に異動となりました。治療適応のある患者さんについては、他の病院と連携を取りつつおこなっていきます。

診療実績

2021年度の入院患者数は596名、手術件数は206件でした。

主な手術件数

脳腫瘍 6
脳動脈瘤 破裂(くも膜下出血) 開頭手術1、カテーテル手術20
脳動脈瘤 未破裂

開頭手術4、カテーテル手術10

硬膜動静脈瘻 開頭手術0、カテーテル手術8
脳動静脈奇形 開頭手術1、カテーテル手術2
もやもや病に対するバイパス手術 1
脳内出血 6
頚部内頚動脈狭窄 内膜剥離術0、カテーテル手術15
脳梗塞に対する血栓回収療法 11
急性硬膜下血腫・硬膜外血腫 3
慢性硬膜下血腫 75
水頭症 21
三叉神経痛、顔面痙攣 開頭手術2
脊髄血管奇形 カテーテル手術2

その他お知らせすべきこと

上記のほか、患者さん(医療従事者の方)にお知らせしたいことがいくつかあります

  • 正常圧水頭症:
    この疾患に精通していた医師が他の病院に異動となりました。明らかに手術適応がありそうな場合は当院で手術しますが、適応が微妙な症例は専門性の高い医師のもとに紹介します。
  • 内視鏡手術:
    現在内視鏡の専門医が不在のため、必要な症例に対しては外部から招聘して行っていましたが、2022年4月より専門医が着任しました。
  • 脳脊髄液減少症による“ブラッドパッチ療法”:
    積極的に行える環境がまだ整備されておりません。必要な患者さんは他院に紹介しています。
  • 逆紹介:
    脳神経外科という診療科は、救急患者が多い、入院患者の管理に手間がかかる、長時間の手術が多い、という理由で外来診療に人員を割けないという事情がある一方で、専門性が高く余人をもって代えがたいが専門医の数は少ない、そんな問題を抱えています。そういった事情から、病状が安定して当院での外来通院が不要となった患者さんは、積極的に地域の開業医にバトンタッチする“逆紹介”を推奨しています。具合が悪くなったときに心配、きっとそう思われるでしょうが、それは杞憂です。当院は救急診療、とくに脳卒中診療に力を入れておりますし、地域の開業医とは親密に連携を取っていますので心配不要です。
  • 症例登録事業への参加:
    患者さんによりよい治療を提供できるよう、⼀般社団法⼈National Clinical Database(以下、NCD)がデータベース事業を展開しており、日本脳神経外科学会をはじめ多くの外科関連学会が参加しています。当院は日本脳神経外科学会認定の施設ですので、当然のことながら登録事業に参加しています。患者さんが特定できる個人情報が外部に漏れることはございませんが、もしこの登録事業に参加したくない患者さんがおられましたら登録から除外することは可能ですので遠慮なくお申し出ください。

おわりに(統括部長よりごあいさつ)

このホームページをみていただいた患者さんはどんな方でしょうか?
昨今、すばらしいホームページがたくさんあるので、ご自分の症状がどんな病気か、どんな治療があるか?を調べているうちに、このホームページにたどり着いたわけではないと思います。
おそらく、ご自身がどこで診察を受けたらいいか迷い、横浜南共済病院に脳神経外科はあるのか、あるいは、ご自分の病気やケガを診てもらえるかどうか、それを知りたくてたどり着いたのだと思います。

すばらしいホームページを掲載している病院はたくさんあり、むしろこちらが勉強になるくらいです。ですが一方でだいたい同じことが書いてあり、かえってどこを受診したらよいのかわからなくなるでしょう。
私たち横浜南共済病院の脳神経外科医の仕事は、ホームページを作ることではないと思っています。私たちの仕事は、脳神経外科という専門性の高い診療科において、患者さんが納得する医療を提供することです。
しかし、とくに神経系の傷病は、診断がつきにくかったり、治せなかったりすることも多いのが事実です。私たちは、たとえそのような状況におかれてしまっても、患者さんに納得していただける、そんな脳神経外科診療を、この横浜南共済病院で展開してゆきたいと思っています。

ご自分の病気についてお調べになりたい患者さんにとっては、このホームページを見てもあまり役に立たなかったと思います。また、患者さんに接してみて感じることは、ホームページに書かれた内容を曲解されていることが多い印象です。専門性の高い情報がなかなか得られなかったひと昔と異なり、いまは情報が容易に得られるようになりました。しかし一方で、そのなかから自分に合った情報を得るのが難しくなったとも言えます。ですから、お困りの際は、素直な気持ちでまず受診してみるのが近道だと思います。数ある病院の中でどの病院を受診するかという点で、このホームページが参考になったのなら幸いです。

当科は歴史のある診療科ですが、2021年4月より今までの積み重ねをもとに新たな診療体制を構築しつつあります。当科のモットーは「当たり前のことを、当たり前に行う」です。これは意外と難しいことは皆さんも日常生活の中で実感していると思います。患者さんの苦痛を取り除くのが医師の原点であり、脳神経外科とて同じです。当科は、すこしでも患者さんのお役に立てるよう努力します。

氏名 間中 浩
役職

脳神経外科部長

医師資格

日本脳神経外科学会専門医・指導医
日本脳神経血管内治療学会専門医・指導医

所属学会

日本脳神経外科学会
日本脳神経血管内治療学会
日本脳卒中学会
日本脳卒中の外科学会
日本脳神経外科コングレス

氏名 高寺 睦見
役職

医長

専門

日本脳神経外科専門医
日本神経内視鏡学会技術認定医
日本脳神経血管内治療学会専門医

所属学会

日本脳神経外科学会
日本脳神経血管内治療学会
日本神経内視鏡学会

氏名 木元 蓉子
氏名 徳永 雄大
所属学会

日本脳神経外科学会
日本脳神経外科コングレス

外来医師担当表