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概要

地域の皆様に信頼される泌尿器科として、安全で確実な治療を提供できるように、7人の泌尿器科専門医によるチーム医療で日々診療に取り組んでいます。"尿路感染症から前立腺がんの終末期まで"を合言葉に、患者さんと疾患を選ばない幅広い対応と迅速かつ適切な治療を提供することを目標に診療に当たっています。患者さんの病状、全身状態、生活環境、ご希望を考慮して最適な治療を提案し、治療方針を決定するように心掛けています。 ほぼすべての泌尿器科疾患の治療を行っています。急性期病院として、悪性腫瘍、尿路感染症、尿路結石、排尿障害や尿路外傷など泌尿器科救急疾患にも対応し、迅速に診断して速やかに治療を開始します(前立腺癌の小線源療法や重粒子治療、腎移植、精巣癌の大量化学療法、小児の特殊な疾患は、大学病院や専門病院にご紹介します)。 当科の診療の中心は、泌尿器科悪性腫瘍(尿路性器癌)と前立腺肥大症の治療です。悪性腫瘍の手術を数多く経験しており、手術成績の向上(予後の改善、合併症の軽減、QOLの維持)を目指して努力しています。2019年5月からダヴィンチによるロボット支援前立腺全摘手術を開始し、2022年現在では、ロボット支援下で前立腺全摘術、膀胱全摘術、腎部分切除術、仙骨子宮固定術を施行しています。2022年のロボット支援手術は総数で約100件でした。膀胱癌の内視鏡的治療(TURBT)では、5-アミノレブリン酸(5-ALA)を用いた光線力学診断(PDD)を導入して、確実な切除を目指しています。また、前立腺肥大症に対して最新治療であるツリウムレーザー蒸散術や水蒸気治療を導入し、出血量が少なく入院期間が短縮される低侵襲な手術が可能になりました。 地域の皆様に信頼される良質な治療を提供できるように、日々精進しています。どうぞよろしくお願いします。

当科で取り扱う疾患

1.膀胱がん

(a)筋層非浸潤性膀胱がん
初回の経尿道的膀胱腫瘍切除(TURBT)で、腫瘍と周囲正常組織を含めて十分に切除し、即時抗がん剤膀胱注入療法を行い、膀胱内腫瘍再発予防に努めています。TURBTでは光力学診断(PDD)を利用して腫瘍の検出率を向上させて、腫瘍の完全切除を目指しています。

(b)粘膜下浸潤を伴う筋層非浸潤性膀胱がん

再度TUR(2ndTUR)を行い、腫瘍の残存の有無を確認し、適切な治療方針を決定します。膀胱温存する場合は、BCG膀胱注入療法を行って再発予防に努めます。2ndTURで粘膜下浸潤以上のがんが残存している場合は、根治のため膀胱全摘を推奨します。
また、BCG療法に抵抗性の場合も、膀胱全摘を考慮します。


(c)上皮内がんや短期間に膀胱内再発を繰り返す筋層非浸潤性膀胱がん
治療または再発予防のために術後BCG膀胱注入療法を行います。さらに、再発予防効果を向上のために6カ月ごとにBCG膀胱維持療法の追加を推奨します。

◎光力学診断(PDD)を用いた経尿道的膀胱腫瘍切除術
上記の筋層非浸潤膀胱がんに対して、まず経尿道的膀胱腫瘍切除(TURBT)による治療が施行されます。筋層非浸潤膀胱がんの生命予後は良好ですが、TURBT後の膀胱内再発率(30-70%)が高いことが治療上の課題です。この膀胱内再発率が高い理由には、従来の白色光による膀胱鏡では同定困難な小さながんや平坦ながんの存在が関与しています。近年、5-アミノレブリン酸(5-ALA)を用いた光線力学診断(photodynamic diagnosis: PDD)が、保険適用になりました。この5-ALAは、がん細胞に多く集まり、青色の可視光を照射すると赤色の蛍光物質に変わる性質があり、TURBT時にPDDを使用すると、膀胱がんの検出率が向上するため、膀胱内再発率が減少することや上皮内癌の診断率向上することが報告されています。当院でもPDDを使用したTURBTを行っています。


(d)筋層浸潤性浸潤膀胱がん

全身状態や腎機能が良好な場合は根治性を向上させるために、術前化学療法:抗がん剤治療(GC療法:ジェムザール+シスプラチン、ddMVAC療法)を3コース施行後、ロボット支援下膀胱全摘+リンパ節郭清術を行います。
*患者さんの希望や腫瘍の状態によって尿路変更術を決定しますが、主に回腸導管や新膀胱を造設します。症例により、術前化学療法を行わずに膀胱全摘術を先行する場合があります。また、全身状態の不良な方、超高齢者や膀胱温存の希望が強い方は、放射線治療+/-化学療法を行います。


(d')膀胱全摘後の再発予防
膀胱全摘標本で筋層浸潤やリンパ節転移を認めた方には、再発予防のために免疫チェックポイント阻害薬のニボルマブ(オプジーボ)や化学療法GC療法(ジェムザール+シスプラチン)をお勧めします。


(e)転移を伴う進行膀胱がん
全身化学療法(GC療法やddMVAC療法)を行います。化学療法が無効な場合は、免疫チェックポイント阻害薬のペンブロリズマブ(キイトルーダ)、さらには、新しい抗がん剤であるエンホルツマブベトチン(パドセブ)の投与を検討します。GC療法が有効な場合は、免疫チェックポイント阻害薬であるアベルマブ(バベンチオ)の維持療法を行います。

2.前立腺がん

(1)診断
PSA値、直腸診、前立腺MRI、年齢で前立腺生検の適応を検討します。1泊2日の入院をしていただき、原則的には腰椎麻酔下で経会陰的前立腺針生検(12-14か所)により病理診断を行います。

(2)ステージング、リスク分類
前立腺がんと診断された場合、CTや骨シンチで転移の有無を精査し、病期(ステージ)を診断します。限局がん(早期がん)の場合は、病理所見(悪性度:グリソンスコアと腫瘍の大きさ)とPSAでリスク分類して、治療方法を検討します。
・病期分類


・リスク分類(NCCN)

低リスク T1~T2a、グリーソンスコア6以下、PSA10ng/mL未満
中間リスク T2b~T2c、グリーソンスコア7、または PSA10~20ng/mL
高リスク

T3a、グリーソンスコア8~10、または PSA20ng/mL以上


(3)治療方法

①ロボット支援前立腺全摘術:手術支援ロボット(ダヴィンチ)を利用して前立腺を外科的に摘出します。PSA値、悪性度(グリソンスコア)、腫瘍の大きさなどの評価でリンパ節転移のリスクが高い場合にはリンパ節郭清を追加します。最も根治性の高い治療ですが、尿失禁や勃起障害などの合併症があります。ロボット支援手術によって、従来の腹腔鏡手術に比べると出血量が減り、神経温存手術や拡大リンパ節郭清が容易になりました。


② 放射線治療
・IMRT(強度変調放射線治療):コンピュータを用いて照射範囲を精密に設定し、放射線(ガンマ線)を前立腺に的確に照射する方法です。照射線量の増加可能となり治療効果が向上し、周囲正常組織への被曝が減り、放射線直腸炎などの副作用も少なくなりました。中リスク以上のがんでもホルモン剤療法を併用することで、手術と同等な治療成績が得られます。1日1回、計37-38回照射するため、7-8週間の治療期間を要することが欠点です。
・SBRT(体幹部定位放射線治療):IMRTに比べて1回の照射線量を3~5倍に増やすことにより、照射回数を減らして治療期間が短縮することが可能になりました。IMRTと比較して効果、副作用ともほぼ同等とされ、SBRTを施行する施設が増えています。
・重粒子治療:重粒子(炭素イオン)を、加速器で光速の約70%まで加速し、照射する方法です。がん病巣をピンポイントで照射できること、がん細胞に対する殺傷効果が強いため、通常のIMRTに比較して照射回数を減らすことが可能となり、治療期間が3週間と短いことが長所です。希望者は神奈川県立がんセンターへ紹介します。
・小線源療法:放射線を放出するヨウ素125線源を前立腺内に挿入し、内部から前立腺全体に照射する方法で、低侵襲の治療です。低リスク群のおとなしいがんが良い適応です。希望者は横浜市大附属病院へ紹介します。
・ゾーフィゴ:放射線(アルファ線)を出すラジウム-223という放射性物質を点滴投与する治療です。点滴投与されたラジウム-223は骨組織に集まりやすく、骨組織でアルファ線を放出して骨転移したがん細胞の増殖を抑えることにより、骨転移の縮小や疼痛緩和効果があります。4週間に1回、計6回、外来で点滴投与します。


③ ホルモン療法:前立腺がん細胞は、男性ホルモン(テストステロン)に依存して増殖します。精巣や副腎から分泌される男性ホルモンを抑えることや男性ホルモンと癌細胞が結合することをブロックすることによって前立腺がんの増殖を抑えます。外科的去勢術、内服薬、注射薬など方法を単独または組み合わせてホルモン療法を行います。悪性度が高い癌は、ホルモン剤が効いている期間が短いことが多く、早期から新規ホルモン剤や抗がん剤投与が必要になることがあります。


④ 監視療法:悪性度が低く、PSA値が低く、腫瘍の小さながんは、進行が遅いことが多いので、即時治療せずに無治療で経過観察していく方法です。PSA、触診、MRIで定期的にチェックし、必要に応じて前立腺生検を追加します。経過観察中に前立腺癌の進行が予想される場合や患者さんが不安になり治療を希望した場合は、根治治療を開始します。


(4)治療方法の選択(病期、年齢、患者さんの希望)

a) 限局前立腺がん
・低リスク:監視療法の適応です。根治治療を希望される場合は、ロボット支援前立腺全摘術または小線源療法をお勧めします。
・中リスク:根治を目指して、ロボット支援前立腺全摘術±拡大リンパ節郭清術またはIMRTや重粒子などの放射線治療(ホルモン療法併用6カ月間)をお勧めします。高齢者は、ホルモン療法を選択される場合が少なくありません。
・高リスク:ロボット支援前立腺全摘術+拡大リンパ節郭清術、またはホルモン剤併用(2年間)のIMRTや重粒子治療をお勧めします。高齢者は、ホルモン療法が中心となります。


b) 転移を有する進行がん:ホルモン療法が中心となります。悪性度が高く、転移範囲が広い場合は、早期から新規ホルモン剤や抗がん剤(ドセタキセルやカバジタキセル)を併用します。骨転移のある場合は、デノスマブ(ランマーク)やラジウム-223(ゾーフィゴ)の併用を検討します。転移部位が少ない(1-2か所)は、放射線治療を併用する場合があります。ホルモン療法や抗がん剤に無効になり、遺伝子診断陽性の場合は、オラパリブを投与する場合があります。


c) 去勢抵抗性前立腺がん(通常のホルモン剤が無効になった場合):抗がん剤(ドセタキセル、カバジタキセル)や新規ホルモン剤を投与します。骨転移が主体の場合は、ラジウム-223(ゾーフィゴ)を併用します。

3.腎細胞がん

a) 転移のない腎細胞がん
侵襲の少ない腹腔鏡手術で治療します。小径腎がんの場合は、腎機能を温存するためにロボット支援腎部分切除を行います。大きい腎がんや腎臓深部で温存が困難な場合は、腹腔鏡下腎摘術を行います。また、周囲への浸潤や下大静脈への進展する場合は、開腹による腎摘術を行います。

b) 転移を有する腎細胞がん、再発腎細胞がん
抗がん剤(分子標的薬)や免疫チェックポイント阻害薬による薬物治療が中心となります。治療効果を向上させるために、上記薬剤を2剤併用する強力な治療法を行うことが多くなりました。また、原発巣の腎臓が摘出可能な場合や転移巣が単発で摘出可能な場合は外科的切除を併用する場合があります。先行の薬剤が無効になった場合は、漸次薬剤を変更します。

4.腎盂尿管がん

病理組織は尿路上皮がんで膀胱がんと同一です。膀胱がんと関連が強いがんで、膀胱がんの2~5%で腎盂尿管がんが発生し、腎盂尿管の30~50%で膀胱癌を併発します。また、比較的早期からリンパ節や肺転移しやすいがんで、術後はCTや膀胱鏡検査で厳重なフォローアップが必要です。

a) 早期がん
腹腔鏡下腎尿管全摘を行います。必要に応じてリンパ節郭清を行います。


b) 浸潤がん
開腹または腹腔鏡による腎尿管全摘とリンパ節郭清を行います。根治性を高めるために術前化学療法(GC療法:膀胱癌と同じ化学療法)を行うこともあります。手術の病理所見によっては、再発予防のために膀胱癌と同様、術後に化学療法(GC療法)や免疫療法(ニボルマブ)お勧めします。


c) 転移を有する進行がん
化学療法(GC療法)が中心となります。膀胱癌と同様、化学療法が無効な場合は、免疫チェックポイント阻害剤であるペンブロリズマブ(キイトルーダ)、さらには、新しい抗がん剤であるエンホルツマブベトチン(パドセブ)の投与を検討します。GC療法が有効な場合は、免疫チェックポイント阻害薬であるアベルマブ(バベンチオ)の維持療法を行います。

5.精巣がん

他の泌尿器がんと比較して、より若い患者さんに発生することが多い腫瘍です。診断時に既にリンパ節・肺転移を有している患者さんも少なくありませんが、多くの場合、化学療法(抗がん剤)に非常に良く反応し、比較的高い確率で治癒が望めます。
転移のないステージⅠには精巣摘除術のみで追加治療せず厳重経過観察を行い、希望があれば化学療法を行っています。ステージⅡ,Ⅲの転移例にはまず化学療法(BEP療法など)を3~4コース行い、治療効果を評価します。治療効果が不十分な場合は、化学療法の変更や残存腫瘍の手術療法を検討します。難治症例の場合は、神奈川県立がんセンターなど専門病院を紹介します。

6.前立腺肥大症

高齢男性の排尿障害の最も多い原因です。通常、前立腺肥大症の治療は飲み薬の治療から開始します。それでも効果が不十分な場合や、薬の長期服用を避けたい場合は、手術治療を行います。当科では、最新のツリウムレザー治療や水蒸気治療を導入し、高齢者や抗血小板薬・抗凝固薬内服中の方にも、積極的に手術を行っています。


a) 薬物療法
α1遮断薬、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害薬、抗男性ホルモン薬などの薬剤を中心に投与します。漢方薬や生薬も併用する場合もあります。

b)手術療法:
①ツリウムレーザーによる前立腺蒸散術
尿道から内視鏡を挿入し、経尿道的に前立腺にツリウムレーザーを照射して、肥大した前立腺を蒸散(蒸発)、切除することによって前立腺部尿道を拡がり、排尿障害が改善します。出血量が少なく、蒸散力が強いため、大きな前立腺肥大や、抗血小板薬・抗凝固薬を内服されている患者さんや高齢者の患者にも、安全な手術が可能になりました。術後の尿道カテーテル留置期間や入院期間が短くなりました。当院に治療プログラムは、術後2日でカテーテル抜去、3日後に退院です。

②水蒸気治療
前立腺蒸散術と同様、経尿道的手術です。Rezum(レジューム)システムを使用して、103℃の水蒸気を前立腺に噴霧し、前立腺組織を壊死させて尿道を拡げます。短時間で非常に侵襲の小さい手術です。全身状態がやや不良で、外科的な治療のリスクが危惧されている方や長期的にカテーテル留置をしている方を対象に行っています。

①ツリウムレーザー治療


②水蒸気治療


7.女性泌尿器科

・腹圧性尿失禁:骨盤体操や薬物療法で無効な場合は、TOTやTVTなどの手術を行っています。
・性器脱:TVM(メッシュ利用)、ロボット支援仙骨固定術を行います。

8.間質性膀胱炎

過活動膀胱とは、「こらえきれない尿意、またそれに伴い尿が漏れてしまう病気」です。過活動膀胱はよく見られる病気で、高齢者であるほど頻度が高く、高齢化社会の日本では現在1000万人以上の患者数がいると推測されています。

過活動膀胱の治療法は
①生活指導(水分の取り方、便秘の改善、今飲んでいるお薬の見直しなど)
②行動療法(尿意切迫感を少しだけ我慢する)
③内服薬(抗コリン薬、β3作動薬)による治療
上記の治療が無効な場合はボツリヌス療法の適応です。
④ボツリヌス療法とは、膀胱の筋肉を緩める薬(A型ボツリヌストキシン)を膀胱壁に直接注射する治療です。米国や欧州など世界で広く行われている治療で、日本でも国内の治験を経て2020年4月に健康保険が適応となりました。

④ボツリヌス毒素の膀胱粘膜下への注入


診療実績(2022年度)

ロボット支援前立腺全摘術 80件
TURBT(経尿道的膀胱癌手術) 181件
腎摘(腎がん)

鏡視下腎摘6件、開腹腎摘2件
ロボット支援部分切除18件

腎尿管全摘(腎盂尿管がん) 鏡視下18件、開腹2件
膀胱全摘 ロボット支援6件
前立腺肥大症手術 ツリウムレーザー蒸散術110件
水蒸気治療10件
TUL(経尿道的尿路結石手術) 腎尿管結石83件、膀胱結石39件
前立腺生検 350件

当科の治療方針

1.患者さんの訴えを十分聞き入れ、わかり易い言葉と大きな声で説明します。
2.必要な検査は即日行い、迅速に的確な診断を下し、早期に治療を開始します。
3.不要な検査や投薬は避け、受診日数や入院日数の短縮を図り、患者さんの負担を軽減します。
4.エビデンス(根拠)のある治療を優先し、試験的な治療を慎みます。
5.新しい治療(腹腔鏡手術や新規抗がん剤の使用など)を行う場合は、十分な説明を行い、同意を得た上で実施します。
6.膀胱炎から前立腺癌終末期まで患者さんを選ばず、最期まで責任をもって診療します。
7.外来診療時間外でも救急患者さんには、可能な限り対応します。

ダヴィンチ(da Vinci)の導入について

ダヴィンチとは内視鏡手術支援ロボットです。従来の腹腔鏡手術と同様に患者さんの体に開けた小さな創から内視鏡カメラと鉗子を挿入し手術を行いますが、ダヴィンチの特徴として、術者は3Dの立体的な拡大画像を見ながら、コンソールと呼ばれる操縦席から鉗子を操作することで、より緻密で正確な操作が可能となりました。手術中の出血量が少なく、合併症のリスクを軽減できるといったメリットがあり、患者の体への負担が最小限に抑えられことにより術後の回復が早く、早期の退院が期待できます。

ダヴィンチの特徴

特徴1 緻密で正確な手術

ダヴィンチの鉗子は多関節構造を持ち、人間の手より大きな可動域(自由度)と手ぶれ防止機能を備えており、より緻密で正確な手術が可能です。

特徴2 高解像度3D(3次元)画像

ダヴィンチのコンソールモニターでは、高画質で立体的な画像が映し出されます。術者は、奥行きがあり30倍まで拡大できる体内画像を見ながら手術が可能となります。

特徴3 患者の体への負担が少ない

ダヴィンチでの手術は、開腹手術に比べ傷が小さいので、手術中の出血量が少ない、手術後の痛みが軽減できるといったメリットがあります。また術後の回復も早く、早期の退院が可能です。

当院で行うダヴィンチ手術

2018年4月からダヴィンチの保険適用範囲が拡大されました。当院では以下の疾患に対し、保険診療にてダヴィンチ手術を行っております。

前立腺がん(2019年5月開始)
膀胱がん(2019年8月開始)
腎臓がん(2020年5月開始)
仙骨子宮固定術(2021年9月開始)
腎盂形成術(2021年9月開始)

当院泌尿器科のスタッフより

当院では、2019年5月からロボット支援前立腺全摘を開始しました。その後、膀胱全摘や腎部分切除術を導入し、症例数が増加しています。2022年度は110件のダヴィンチ手術を施行しました。ダヴィンチを利用して、より安全、確実な手術を行い、悪性腫瘍の治療成績を向上させるように努力していきます。
早期前立腺癌の治療は、ダヴィンチによる前立腺全摘のみならず、放射線治療(IMRT)や監視療法も有効です。患者さんにとって最適な治療法を提示し、安全で確実な治療を行い、患者さんに満足していただくことが私たちの使命です。

氏名 池田 伊知郎
役職

副院長 兼 地域支援センター長 兼 医療社会福祉相談室室長 兼 地域連携室室長 兼 臨床研修管理室室長

専門

尿路性器癌

医師資格

日本泌尿器科学会専門医・指導医・代議員
日本癌治療学会臨床試験登録医
日本がん治療認定医機構暫定指導医およびがん治療認定医
泌尿器腹腔鏡技術認定医
泌尿器科ロボット支援手術プロクター
身体障害者福祉法第15条指定医(ぼうこう又は直腸機能障害)

所属学会

日本泌尿器科学会
日本癌治療学会
日本癌学会
腎癌研究会
日本女性骨盤底学会
日本内視鏡外科学会
日本サイコオンコロジー学会
日本泌尿器内視鏡・ロボティックス学会
日本泌尿器腫瘍学会

氏名 佐野 太
役職

泌尿器科部長

専門

泌尿器癌、前立腺肥大症

医師資格

日本泌尿器科学会専門医・指導医
日本がん治療認定医機構がん治療専門医
身体障害者福祉法第15条指定医(ぼうこう又は直腸機能障害)
日本泌尿器内視鏡学会泌尿器腹腔鏡技術認定医
日本内視鏡外科学会技術認定医(泌尿器腹腔鏡)
泌尿器ロボット支援手術プロクター

所属学会

日本泌尿器科学会
日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会
日本癌治療学会

氏名 春日 純
役職

医長

専門

尿路性器癌、陰茎がん

医師資格

日本泌尿器科学会専門医・指導医
泌尿器腹腔鏡技術認定医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
泌尿器科ロボット支援手術サーティフィケート
緩和ケア研修修了

所属学会

日本泌尿器科学会
日本泌尿器内視鏡・ロボティックス学会

氏名 松沼 さゆき
役職

医長

医師資格

日本泌尿器科学会専門医
泌尿器科ロボット支援手術サーティフィケート

所属学会

日本泌尿器科学会
日本女性骨盤底医学会

氏名 山下 大輔
役職

医長

医師資格

日本泌尿器科学会専門医
日本がん治療認定医機構がん治療認定医
Certificate of da Vinci console surgeon

所属学会

日本泌尿器科学会
日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会
日本緩和医療学会
日本老年泌尿器科学会

氏名 池田 舞子
医師資格

泌尿器科ロボット支援手術サーティフィケート(執刀医)
緩和ケア研修修了

所属学会

日本泌尿器科学会
日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会

氏名 三村 昇
外来医師担当表