8:00〜11:30(平日)※新患受付は10:30まで
土・日・祝日創立記念日(2024年度は6月14日(金))
年末年始(12月29日〜1月3日)
14:00~18:00(平日・土・日・祝日)
ご来院される前に必ずお電話ください。
※敷地内全面禁煙
はじめて受診される際は、紹介状が必要です。
当院は2012年にがん診療連携指定病院に指定されており、消化器外科としても増加する悪性疾患に対する治療に力を入れております。また、三次救急施設として、急性虫垂炎、消化管穿孔、腹膜炎、腹部外傷などの腹部救急疾患の治療や、胆石、鼠径ヘルニア等の良性疾患の治療も多く行っています。2019年の手術件数754件のうち、悪性腫瘍の切除術は216件、腹部救急疾患に対する緊急手術は177件でした。
診療の基本方針は、EBM(Evidence-Based Medicine)に基づき、ガイドラインなどを参考として、十分なインフォームドコンセントのもとに、一人一人の患者さまごとの異なる状況を考慮して診療をすることを第一としています。最新の情報、診療技術の修得のための自己研鑽を怠らず、医師、看護師、薬剤師、検査技師、栄養士、リハビリテーションスタッフ、事務職員といったコメディカルとのチームワークを大事にして、患者さまの権利を尊重し、安全に配慮した質の高い診療を心がけています。
当科では月曜日から金曜日まで毎日新患紹介を受け付けています。外来担当医が手術方針を決定し入院予約を行います。入院予約が決定したすべての症例はカンファランスで診断、治療方針、手術術式を検討します。カンファランスで手術術式が決定した後に手術担当医と手術日程を決定します。したがって外来担当医と手術担当医は異なる場合があります。入院日、手術日程は電話で患者様にご連絡いたします。入院後に手術担当医が詳細な手術術式を説明いたします。
より安全で体への負担の少ない手術を行うことで術後の回復は早くなり、術後在院日数は短くなります。そのために当科では腹腔鏡手術の導入、クリニカルパスの導入、SSI(手術部位感染症)の予防、ERASプロトコールの採用など多くのことに取り組んできました。その結果大腸癌の術後在院日数(中央値)は2006年の15日から2016年には9日へ短縮されました。
当科では、安全性や根治性を保ちつつ、低侵襲な腹腔鏡手術・胸腔鏡手術を積極的に行っています。虫垂炎、胆石、鼠径ヘルニアなどの良性疾患から食道、胃、大腸、肝臓、膵臓の悪性疾患まで多くの術式に鏡視下手術を導入しています。2019年の体表を除く手術679件のうち、鏡視下手術は301件(44%)でした。鏡視下手術の利点は、キズが小さく、痛みが少なく、術後の回復が早いとされる他にも、腸の癒着が少ない、術後の腸の動きの回復が早い、出血が少ない、カメラで拡大するため細かい組織がよく見える、など多くの利点があります。鏡視下手術は高度な技術を要するため熟練した外科医が必要となります。また開腹手術より外科医の人数が多く必要で、手術時間も長くかかります。したがって夜間の緊急手術などでは鏡視下手術が行えない場合があります。そのため当院のように救急患者さんを多く扱っている病院では鏡視下手術の割合が少なくなる傾向があります。また、開腹手術を受けたことのある患者さんや、進行癌の患者さんは鏡視下手術が困難な場合があります。鏡視下手術の利点、欠点を考慮して手術方法を決定していますが、患者さんの希望で鏡視下手術か開腹手術を選択することも可能です。
2019年の主な腹腔鏡手術症例(手術症例に占める割合:%)は以下の通りです。
・胃癌:21例(41%) ・大腸癌:75例(61%) ・肝癌:5例(42%) ・膵癌:5例(36%) ・胆石症:92例(74%) ・鼠径ヘルニア:46例(32%) ・虫垂炎:38例(55%)
直腸癌と胃癌に対してロボット支援下直腸切除術を行っております。
症例に応じて開腹手術、腹腔鏡手術、ロボット支援手術を行っています。
ERAS(Enhanced Recovery After Surgery)プロトコールとは、結腸癌手術の周術期管理において、エビデンスに基づいた管理を行うことで、従来の慣習的に行われていた管理よりも早い術後回復を実現するためのプロトコールです。2005年にヨーロッパ静脈経腸栄養学会(ESPEN)を中心としたグループが提唱しました。現在では結腸癌手術以外の多く手術にもERASプロトコールが導入されています。当科でも結腸癌以外の多くの術式にERASプロトコールを導入しています。
ERASプロトコールには、術前の絶飲食の廃止、術前経口補水の施行と術前点滴の廃止、術前の腸管前処置(下剤の投与など)の廃止、術直後の胃菅抜去、術後早期の経口摂取の再開、ドレーンの早期抜去などが含まれ、患者さんの負担や苦痛が軽減されます。
食道がんのStageは食道壁の深達度、リンパ節転移、遠隔転移によりStage0からStageⅣに分けられます。
内視鏡切除が適応外のStage0またはStageⅠの食道がんに対しては手術を行います。高齢者や体力が手術に耐えられない患者さんには化学放射線療法を行います。
StageⅡまたはStageⅢの食道がんに対しては抗がん剤による化学療法を2か月程度行った後 に手術を行います。高齢者や腎機能の悪い患者さんには化学療法を行わずに手術を行う場合もあります。手術に耐えられない患者さんには化学放射線療法を行います。
食道は頸部から腹部に至る長い臓器です。食道がんは比較的早期の段階で頸部から腹部の広い範囲のリンパ節に転移する場合があります。そのため食道がんの手術では頸部から腹部または胸部から腹部の食道とリンパ節を切除する必要があります。切除後は残った食道と胃を吻合して再建します。
食道癌の手術は従来、開腹・開胸を伴う侵襲の大きな手術でしたが、当院では腹部操作に腹腔鏡、胸部操作に胸腔鏡を取り入れることによって、腹部および胸部の傷を小さくし、患者さんの負担を低減しております。また症例に応じて頸部のリンパ節切除を省略して合併症の低減に努めています。
切除不能食道癌に対しては抗がん剤治療を行います。狭窄症状により食事が通らない患者さんに対しては放射線療法や内視鏡的ステント挿入を行います。
当科では胃がんの進行度や患者さんの状態(年齢・併存疾患など)を総合的に判断して治療方針を決定しています。標準治療(科学的根拠に基づいた現在利用できる最も効果的な医療)を適正かつ安全に提供することをモットーに、根治性を保ちつつ、安全で合併症の少ない手術を心掛け、腹腔鏡手術などの低侵襲手術も積極的に行っています。
抗がん剤治療にも十分な実績がありますので、手術と抗がん剤治療の両方が必要な患者さんも、科や病棟を移動することなく主治医のもとで安心して治療を受けることができます。
胃がんは胃粘膜から発生し、発育することで徐々に胃の壁の深いところに進展していきます。がんがある程度深いところまで達すると、血管やリンパ節を介して「転移」が始まります。初期には胃の周りのリンパ節転移に留まりますが、進展するにつれて他の臓器への転移が多くなることが知られています。
胃がんの病期は、がんの深さ(深達度)、リンパ節への転移の状態、他の臓器への転移の3項目をもとに決定され、進行度は大きくI期からIV期に分類されます。
当科ではStageI期胃癌にはリンパ節郭清を伴う腹腔鏡手術を積極的に行っています。通常では胃全摘が必要と判断されるような症例でも、胃亜全摘術や噴門側胃切除術を行って、機能を温存する手術を心掛けています。 StageII~IIIはさらに進行した胃癌ですが、手術で取り切れる範囲にがんがとどまっており根治切除が期待できる状態です。この場合には通常開腹手術での胃切除術が選択されることが多いですが、熟練した医師のもとでより低侵襲な腹腔鏡手術も行えるようになってきています。
他の臓器に転移を伴うStageIVの場合は、手術により治癒することは難しいとされ、通常は全身治療である抗がん剤が適応となります。しかし、抗がん剤治療が著効して転移が消失した場合には手術による切除(コンバージョン手術)が高い効果を発揮することがあります。当科ではこのような集学的治療を行うことで、常に治癒のチャンスを伺いながら治療に取り組んでいます。
胃の切除範囲は、がんのできた場所(胃の入り口に近いか、胃の出口近いか)と癌の深さによって決められます。がんそのものを切除するのに加え、転移を起こしている可能性のある胃の近くのリンパ節を周りの脂肪とともに切除します(リンパ節郭清)。胃がんの手術はがんの位置、広がり、進行度によって以下の3つの術式があります。
胃全摘術:胃をすべて切除する術式です。食道と空腸を吻合し再建します。胃の上部にある進行がんに選択されます。胃の上部にかかる早期胃がんで出口側の胃を残すことが困難な場合にも選択されます。
幽門側胃切除術:幽門(胃の出口)を含めて胃の出口側3分の2を切除します。残った胃と十二指腸または空腸を吻合し再建します。噴門(胃の入り口)にかからない胃癌に対して行われる術式です。
噴門側胃切除術:噴門を含めた胃の上部3分の1の範囲を切除します。食道と空腸、残った胃を吻合し再建します。胃上部の早期がんで幽門側の胃を十分に残すことが可能な場合や、食道胃接合部癌に選択されます。
低侵襲手術(腹腔鏡手術、ロボット支援下手術):早期癌、一部の進行癌に対しては腹腔鏡下幽門側胃切除、腹腔鏡下胃全摘、腹腔鏡下噴門側胃切除を行っています。2023年からロボット支援下手術も導入します。
Stage2またはStage3の胃癌に対しては手術後に抗がん剤を半年間から1年投与します。術後化学療法により再発率が減少するという報告もある一方で、化学療法の副作用で栄養障害や体力低下が悪化することもあるため、抗がん剤を減量したり化学療法を行わない場合もあります。
大腸癌は大腸壁のもっとも内側の粘膜に発生します。粘膜に発生したがんは徐々に大腸壁に深く浸潤し粘膜下層→筋層→漿膜下層→漿膜と広がっていきます。がんは大腸壁の外の臓器にまで浸潤する場合もあります。がんが粘膜下層以深に浸潤すると大腸周囲のリンパ節に転移することがあります。また進行癌では肺、肝臓、腹膜などの他臓器に転移することがあります。がんがどれくらい進行しているかを表すのがStageで、Stage1からStage4に分類されます。
大腸癌はStageによって治療方法が異なります。
Stage1のうち大腸壁への浸潤が浅く、リンパ節転移がないと思われる大腸癌は内視鏡治療で切除します。ただし切除した組織の病理検査で大腸壁への浸潤が深かった場合やリンパ節転移の可能性がある場合は手術により大腸切除を追加します。
リンパ節転移の可能性があるStage1、Stage2、Stage3の大腸癌は手術で大腸と周囲のリンパ節を切除します。
肺、肝臓など遠隔転移のあるStage4の大腸癌では化学療法(抗がん剤治療)を行います。肺や肝臓に転移があっても完全に切除できる場合は大腸切除と転移巣切除を行う場合もあり、予後の改善が見込まれる場合はStage4の大腸癌に対しても積極的に手術を行っています。
結腸癌はがんの部位により盲腸癌、上行結腸癌、横行結腸癌、下行結腸癌、S状結腸癌に分けられます。がんの部位により回盲部切除、右半結腸切除、横行結腸切除、左半結腸切除、S状結腸切除などの手術を行います。一般的にがんの両側10cmの範囲の結腸とリンパ節を切除し結腸を吻合します。
直腸と周囲のリンパ節を切除し結腸と直腸を吻合します。がんが肛門に近く高度に進行している場合は結腸と直腸を吻合できない場合があります。この場合は直腸を切除して人工肛門(永久)を造設します。人工肛門とは結腸の断端をお腹の外に出し皮膚に縫合した便の出口です。肛門温存が困難な症例でも腹腔鏡手術やロボット支援手術の導入、術前補助療法を併用することによりなるべく肛門を温存できるように努めています。また結腸と直腸が吻合できても、吻合が肛門に近すぎる場合は縫合不全を起こすリスクが高いため、一時的な人工肛門を造設する場合があります。その時は3-6か月後に再び手術で人工肛門を閉鎖します。
低侵襲手術(腹腔鏡手術、ロボット支援下手術)
他臓器浸潤がある大腸癌や過去の手術の影響で著しい癒着があることが予想される患者さん以外ではすべての結腸癌および直腸癌の手術に腹腔鏡手術を行っています。直腸癌に対してはロボット支援下手術も行っています。
術前補助療法
腫瘍が大きかったり、他臓器に浸潤したりしていて完全切除が困難な場合は術前に化学療法や放射線療法を行い腫瘍を縮小させてから切除することもあります。膀胱に広範囲に浸潤していて膀胱を温存できない症例でも、術前化学療法により膀胱機能を温存して切除できることがあります。肛門温存が困難な直腸癌でも術前療法を行うことにより肛門を温存できるようになる場合もあります。
術後補助療法
Stage3の大腸癌、再発リスクの高いStage2の大腸癌に対しては術後に化学療法を行います。抗がん剤には経口薬と点滴があり患者さんの状態によって治療薬を使い分けます。投与期間は一般に6か月ですが、がんの状態や用いる薬の種類によっては3ヶ月で終わる場合もあります。
手術によりがんを取りきることが難しい進行癌や再発癌に対しては化学療法を行います。化学療法は基本的に外来で行われるので、外来に通院できるくらいの体力がある患者さんが適応となります。化学療法を行う前にがん組織の遺伝子検査 (RAS遺伝子検査、BRAF遺伝子検査、MSI検査)を行い、その結果によって使用する薬物の種類が決まります。大腸癌の化学療法は遺伝子検査で使用できるかを調べてから使用する‘分子標的治療薬’と、従来から使用されている‘細胞障害性抗癌剤’を組み合わせて使用します。組み合わせには何通りもあります。最初に行う化学療法を一次化学療法と呼びます。一次化学療法の治療効果が低下したり、副作用が強くて治療継続が困難になった場合には使用する薬剤を変更します。変更した化学療法を二次化学療法とよびます。このように効果が低下したり、副作用が強く継続困難になると一次、二次、三次・・・と化学療法を変更して治療を継続していきます。どのくらいまで化学療法の種類を変更して治療を継続できるかは患者さんの状況によって異なります。
肝癌には肝細胞癌、胆管細胞癌、大腸がんなどの転移性肝癌があります。肝癌に対する治療は切除可能であれば手術が最も有効です。切除が可能かの判断は肝予備能と肝切除量によって決まります。肝予備能に対して切除量が大きすぎると術後肝不全など重篤な合併症を起こす危険があります。
肝切除は部分切除(最も切除量が小さい)、亜区域切除、区域切除(内側区域、外側区域、前区域、後区域)、右葉切除、左葉切除、中央2区域切除、拡大右葉切除(最も切除量が大きい)などの術式があります。術式は腫瘍の位置、大きさ、血管や胆管の浸潤によって決められます。CTで肝実質や脈管、腫瘍などの三次元画像を構築し切除肝と残肝の容積を計測することが可能です(volumetry)。肝予備能はICG検査、肝障害度などで評価します。
最終的に幕内基準や兵庫医大予後得点で手術の安全性を評価して手術の適応、術式を決定しています。
当院では肝部分切除または肝外側区域切除に対しては腹腔鏡手術を行っています。開腹肝切除術は傷が大きくなることが多く術後の回復に時間がかかりますが、腹腔鏡手術では傷が小さく術後の回復が早く多くの方が術後1週間以内に退院可能となります。
胆管癌は肝臓側の近位胆管癌(肝門部胆管癌)、膵臓側の遠位胆管癌、十二指腸の出口にできる乳頭部癌に分類されます。
肝臓(肝右葉または肝左葉)および胆管、胆嚢および周囲のリンパ節を切除します。続いて肝門部の胆管と空腸を吻合します。
膵頭部、胆管胆嚢、十二指腸、胃の一部および周囲のリンパ節を切除します。続いて胃空腸、膵空腸、胆管空腸をそれぞれ吻合して消化管を再建します。
胆嚢と胆嚢に接する肝臓を切除します。さらに胆管と周囲のリンパ節を切除する場合もあります。胆管の断端は空腸と吻合して消化管を再建します。
切除不能または再発性胆道癌に対しては化学療法または放射線治療を行います。化学療法や放射線治療で切除不能胆道癌が完治することは稀ですが、延命効果や痛みなどの症状を緩和する効果があります。
膵癌は癌の進行程度により以下の3つに分類され、それぞれ治療法が異なります。
切除可能:遠隔転移がなく手術で癌が完全に取り切れる可能性が高い膵癌
切除可能境界:遠隔転移はないが、手術しても癌の取り残しが生じる可能性がある膵癌
切除不能:遠隔転移や血管浸潤により手術では癌が取り切れない膵癌
術前化学療法
切除可能膵癌に対しては手術前に化学療法を数か月から半年行う場合があります。
術前化学療法を行うことで生存率がよくなるという報告もある一方で、化学療法の副作用が強く出る場合や化学療法が効かない場合もあるため患者さんの年齢、体力なども考慮して治療法を選択します。
手術
遠隔転移がなく切除可能な膵癌に対しては手術を行います。腫瘍が膵頭部にある場合は膵頭十二指腸切除、膵体部または膵尾部にある場合は膵体尾部切除、膵頭部から膵体尾部に広がる場合は膵全摘を行います。
膵頭十二指腸切除
膵頭部、胆管胆嚢、十二指腸、胃の一部および周囲のリンパ節を切除します。続いて胃空腸、膵空腸、胆管空腸をそれぞれ吻合して消化管を再建します。
膵体尾部切除
膵体部、膵尾部、脾臓および周囲のリンパ節を切除します。消化管の再建の必要はありません。周囲浸潤のない場合は腹腔鏡手術を行っています。
膵全摘
膵臓、胆管胆嚢、十二指腸、胃の一部、脾臓および周囲のリンパ節を切除します。続いて胃空腸、胆嚢空腸を吻合して消化管を再建します。
術後化学療法
手術後に経口の抗がん剤を半年間投与します。術後化学療法により再発率が減少するという報告もある一方で、化学療法の副作用で栄養障害や体力低下が悪化することもあるため、抗がん剤を減量したり化学療法を行わない場合もあります。
切除可能境界膵癌に対しては手術を行っても癌が完全に取り切れないことがあるため化学療法を行います。化学療法で腫瘍が縮小し癌を残さず切除できるようになってから手術を行います。切除可能とならない場合は化学療法を継続します。
切除不能または再発性膵癌に対しては化学療法または放射線治療を行います。化学療法や放射線治療で切除不能膵癌が完治することは稀ですが、延命効果や痛みなどの症状を緩和する効果があります。
鼠径ヘルニアの手術は従来から行っている前方法と腹腔鏡を用いるTAPP法を行っています。前方法は5~6cmの皮膚切開で腹壁をメッシュで補強する方法です。TAPP法は腹腔鏡を用いて腹腔内から腹壁をメッシュで補強する手術です。
小児の鼠径ヘルニアに対しては従来からのPotts法と腹腔鏡を用いたLPEC法を行っています。
胆嚢内の結石が原因で、腹痛などの症状や炎症を引き起こすものでは手術がすすめられます。胆嚢摘出術は、胆嚢炎などの炎症の有無で難易度が大きく変わってくる手術です。胆嚢摘出の標準は腹腔鏡手術であり、当院でも可能な症例は極力腹腔鏡手術を行うようにしていますが、炎症が強い場合は開腹手術になることがあります。
虫垂炎、胆嚢炎などについては手術適応をよく検討し、必要があれば速やかに緊急手術を行うようにしています。胃や腸に穴が開く消化管穿孔で腹膜炎を起こしている症例や外傷による出血などの症例では、急激に体の状態が悪化し命に関わることも多いため、早急な診断・迅速な手術を行い、術後は集中治療室において厳重な術後管理を行っています。
当科では食道癌、胃癌、大腸癌、胆道癌、膵癌、消化管間質腫瘍(GIST)などに対して抗がん剤による化学療法を行っています。化学療法には、切除に向けての術前化学療法、術後の再発を減らすための術後補助化学療法、切除不能・再発に対する化学療法があります。抗がん剤には内服薬と点滴があります。点滴治療も多くは通院で受けることが可能です。点滴治療は専任の薬剤師、看護師などのスタッフをそろえた外来化学療法センターで行っています。オプジーボなどの最新の化学療法も経験豊富なスタッフにより安心して受けることができます。
胃癌、大腸癌で手術を行った患者さんの術後フォローを、クリティカルパスを用いて連携医療機関と協力して行っています。パスの診療計画表に沿って、定期的な診察や採血などの検査、処方をかかりつけの医療機関にお願いし、再発のチェック(CTなど)は当院で行いお互いに情報を共有しています。再発や合併症の発生時には当院で迅速に対応いたします。StageⅠの胃癌、StageⅠ、Ⅱの大腸癌で術後補助化学療法のない患者さんに導入されています。
日本外科学会外科専門医制度修練施設
日本消化器外科学会専門医修練施設
日本大腸肛門病学会認定施設
氏名 | 松川 博史 |
---|---|
役職 | 病院長特別顧問 |
専門 | 一般外科 |
医師資格 | 日本外科学会認定医 |
所属学会 | 日本外科学会 |
氏名 | 佐伯 博行 |
---|---|
役職 | 院長補佐 兼 外科部長 |
専門 | 消化器外科 |
医師資格 | 日本外科学会専門医・指導医 |
所属学会 | 日本外科学会 |
氏名 | 樋口 晃生 |
---|---|
役職 | 部長 |
医師資格 | 日本外科学会専門医・指導医 |
所属学会 | 日本外科学会 |
氏名 | 玉川 洋 |
---|---|
役職 | 部長 |
医師資格 | 日本外科学会専門医・指導医 |
所属学会 | 日本外科学会 |
氏名 | 川邉 泰一 |
---|---|
役職 | 医長 |
医師資格 | 日本外科学会専門医 |
所属学会 | 日本外科学会 |
氏名 | 朱 美和 |
---|---|
役職 | 医長 |
医師資格 | 日本外科学会専門医 |
所属学会 | 日本外科学会 |
氏名 | 小野寺 篤 |
---|---|
役職 | 医長 |
氏名 | 金井 達哉 |
---|---|
専門 | 日本外科学会専門医 |
所属学会 | 日本外科学会 |
氏名 | 福井 綺夏 |
---|
氏名 | 高橋 尚揮 |
---|
診療科・部門