診療受付時間

8:00〜11:30(平日)※新患受付は10:30まで

休診日

土・日・祝日創立記念日(2024年度は6月14日(金))
年末年始(12月29日〜1月3日)

面会時間

14:00~18:00(平日・土・日・祝日)

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ご来院される前に必ずお電話ください。

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概要

当院は、産婦人科のほぼ全分野の診療、一般婦人科、周産期医療、内分泌、悪性腫瘍、女性ヘルスケア(更年期、骨粗鬆症など)の診療を行っています。

現在スタッフは9名で、全員女性医師が担当し、患者様が納得のいく医療を受けていただけるよう心がけております。午前の外来は、一般婦人科外来、妊婦健診の産科外来、午後は専門外来として、週2回の女性健康外来、週1回の胎児精査超音波外来、遺伝相談外来を予約制で開設しています。

分娩に関しては予約制ですが、予約制限はなく、当院で管理できる患者様の分娩は基本的にすべて受け入れております。助産師による妊婦健診(助産師外来)は週2回開設しており、立ち合い分娩も要望に応じ行っています。

婦人科良性腫瘍は、子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣腫瘍などに対して、内分泌治療や手術治療を行っています。基本的には低侵襲手術である内視鏡手術(腹腔鏡手術、子宮鏡手術、ロボット手術)を行っていますが、開腹手術、腟式手術も行っています。

婦人科悪性腫瘍、子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌などに対しては、開腹手術、内視鏡手術(腹腔鏡手術、ロボット手術)での手術治療から、化学療法、分子標的薬治療など、最新の治療薬も取り入れながら、患者様にあった、適切な治療を受けていただけるよう日々取り組んでおります。

地域の皆様に質の高い、安心できる産婦人科医療が提要できるよう心がけて参ります。

分娩について(産科)

当院では原則LDRでの分娩を行っています。その際、立ち合い分娩も可能です。分娩は予約制をとっていますが、予約制限はなく、当院で管理できる患者様は基本的にすべて受け入れいています。

妊婦健診は、セミオープンシステムを導入しています。ハイリスク妊娠に該当しない患者様は、近隣の産婦人科医院で妊婦健診を受けることも可能です。その際は、妊娠初期に分娩予約で来院していただき、その後妊娠32~33週で当院に戻っていただいています。

分娩の入院時には助産師が診察し、胎児心拍モニターにて分娩経過を観察します。分娩時には必ず産婦人科医師が立ち合います(必要あれば、小児科医師も立ち合います)。基本は自然分娩を主体としていますが、医学的に必要と判断される場合には、吸引・鉗子分娩といった分娩を急ぐ処置(急速遂娩)、緊急帝王切開を行う場合があります。帝王切開の麻酔は麻酔科医師が担当し、夜間・休日でも迅速に対応していただけます。

当院での帝王切開の適応は、胎児仮死、分娩遷延・停止、前置胎盤、常位胎盤早期剝離、妊娠高血圧症候群、骨盤位(逆子)、双胎、前回帝王切開分娩などに対して帝王切開分娩を行っています。前回帝王切開分娩だった妊婦様が経腟分娩を希望される場合は、様々な要件を満たしてる場合には経腟分娩を行うことも可能ですので、外来医師に相談ください。

出生前診断については、当院では遺伝相談外来を設けており、ご夫婦に出生前検査について情報提供を行い、ご希望に合わせて検査を進めていきます。当院では、クワトロ検査、羊水検査を行うことが可能です。(NIPT 新型出生前診断を希望される方は、横浜市立大学附属病院へご紹介しています)

※ LDR Labor(陣痛)・Delivery(分娩)・ Recovery(回復)の頭文字です。入院から分娩、そして産後2時間まで同一の部屋で過ごすことができ、より快適で安心して出産することができます。個室で立ち合い分娩も可能です。

分娩実績

産科診療実績 妊娠22週以降

2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
分娩数 772 633 550 437 478
帝王切開
(率)
182
(23.6%)
168
(26.5%)
167
(30.4%)
112
(25.6%)
144
(30.1%)
妊産婦死亡 0 0 0 0 0
死産数 2 0 2 3 1
多胎 11 4 9 4 2

当院で分娩をお考えの方へ

当院では分娩が進行してからお産後の回復まで、移動なく過ごせる個室のLDRでお産を基本としています。LDRにはシャワーやトイレ、ソファーなども完備されています。窓も大きく、広い部屋でパートナーや赤ちゃんとゆっくり過ごすことができます。(コロナ感染対策により、面会時間、パートナーのLDR在室時間が制限される場合があります)

お産後は、個室を中心とした母児同室を行っています。授乳、育児がスムーズに行いやすく、赤ちゃんはお母さんと一緒なので安心して過ごせます。当院では母乳育児を勧めていますが、お母さんやご家族の希望にそって無理のないよう対応していきます。

当院では安全を第一に考えた出産環境を提供し、妊産婦さんとご家族が安心してお産ができるよう努めてまいります。そして、分娩後はできるだけ不安を解消し、安心して育児がスタートできるよう助産師が中心となり、産後ケアや育児のお手伝いをさせていただきます。

当院には助産実践能力の質を保証する、一般財団法人日本助産評価機構CLoCMiP®レベルⅢ認証を受けた助産師(アドバンス助産師)が在籍しており、妊産褥婦や新生児のケアを行っています。

LDR

お産セット

  • ・ナプキンLギャザータイプ(5枚) 1袋
  • ・ナプキンMギャザータイプ(10枚)2袋
  • ・ナプキンMフラットタイプ(20枚)2袋
  • ・お産直後パットマルチ 1セット
  • ・分娩用ショーツ 1枚
  • ・産褥ショーツ(3枚)1袋
  • ・プローブ用ベルト 1袋
  • ・赤ちゃん用おしりふき 2個
  • ・ガーゼハンカチ 5袋
  • ・リペアニプル(乳頭保護用クリーム)1個
  • ・母乳パッド 5袋
  • ・ベビーコーム 1個
  • ・電子体温計 1個
  • ・当院オリジナルプレゼント
  • ・オリーブの木臍帯箱 1個

入院中のスケジュール

経腟分娩

経腟分娩の場合は、分娩翌日から数えて5日目の退院予定となります。分娩直後から赤ちゃんにおっぱいを吸わせていきます。お母さんと赤ちゃんの体調が問題なければ、病室へ移動したのち早めに母児同室を行っています。入院中、沐浴や退院指導、授乳や育児の支援などをさせていただきます。

帝王切開分娩

帝王切開の場合は、手術翌日から数えて7日目の退院予定となります。

分娩時の状況にもよりますが。お母さんは手術室で生まれた直後の赤ちゃんに触れ、スキンシップを図ることができます。手術が終わって病室に戻ってからも、病室に赤ちゃんをお連れします。手術後ですが、ベッド上で授乳ができるようにお手伝いします。お母さんの体調が改善し歩けるようになったら、沐浴指導、退院指導、授乳や育児などの支援をさせていただきます。お母さんの体調に応じて育児などお手伝いさせていただきますので、ご安心ください。

入院中の赤ちゃんは、小児科医師による診察を受け、必要な時には適切な処置や検査を受けられます。赤ちゃんの聴力検査を希望される場合は受けることが可能です(有料)。聴覚異常の早期発見に役立ちますのでお勧めします。地域によっては補助がありますので、お住いの地域の窓口にお問い合わせください。

聴力検査費用 8,000円

沐浴指導

個室

お祝い膳

管理栄養士による産後のお母さんのためのお食事やお祝い膳をご提供いたします。

①分娩予約金

分娩や正常な赤ちゃんにかかる入院費は自費診療となります。帝王切開による分娩、赤ちゃんに検査や処置を行った場合、病気で入院となった場合は保険診療となります。

分娩にかかる費用は、経腟分娩や帝王切開、または分娩の時間帯、入院日数などにより費用は異なります。

当院での分娩を希望される方には、妊娠20週までに分娩予約金(約10万円)をお預かりしています。

②助産師外来

当院で分娩予定であり、医師の許可が出た妊婦さんを対象に、妊娠中数回助産師による妊婦健診を行っています。

助産師外来では、医師の診察は実施せず、助産師が妊婦さんと家族にとってよい妊娠・出産・産後を過ごしていただけるようにゆっくりお話しを伺い、サポートさせていただきます。

対象は、妊娠22~25週、妊娠30~31週、妊娠38週の妊婦さんとその家族です。医師の健診と同様に、妊婦健康診査費用(補助券)が使用でき、水曜日と木曜日の午後に予約制で行ってます。

健診の内容は、妊婦健診、超音波検査(推定体重の計測、性別確認は行っていません)、週数に応じた妊婦指導、妊婦さんとそのご家族が助産師に相談したい内容などのお話を伺います。

③産後外来・2週間健診

主に、退院後から母乳や育児に対する相談、乳腺炎などの乳房トラブルに助産師が対応しています。基本は予約制になっていますので、産婦人科病棟へ電話予約をお願いいたします。

産後2週間健診は1か月健診までの間に、赤ちゃんが順調に成長しているか、お母さんの心身が順調に回復しているかを見守る健診です。当院で出産したお母さんと赤ちゃんには2週間健診をうけていただき、入院中に予約させていただきます。

費用:

  • ・産後2週間健診5,000円(お住まいの市町村により補助があります。横浜市・横須賀市・鎌倉市は全額補助があり、自己負担はありません。)
  • ・産後外来(赤ちゃんの体重測定や授乳・育児指導を含む):3,000円
  • ・乳腺炎と診断された場合:保険診療となります
     初回5,000円/回の3割負担
     2~4回目1,500円/回の3割負担
     5回目以降以下の自費診療となります。診療や投薬は別途費用がかかります。
  • ・母乳に関する指導やケア:保険診療とならず自費となります。
     当院で分娩された方:初回4,000円/回  2回目以降3,000円/回
     他院で分娩された方:初回5,000円/回  2回目以降4,000円/回
     ※夜間・休日は1,000円加算となります。

④マヨガwithベビー

日時 毎月第1 第3 月曜日
14:00~15:30頃まで
場所 横浜南共済病院
対象者 当院で出産されたママと1ヶ月健診後~ハイハイする前の赤ちゃん
参加費 初回:500円/回 2回目以降:1,000円/回
服装 動きやすい服装
持ち物 赤ちゃんを寝かせるためのバスタオル
※ヨガマットは準備してあります。
予約 問い合わせ先:産婦人科外来 TEL045-782-2101
お電話は平日15:00~17:00にお願いします。

⑤授乳相談外来

当院で分娩した方の産後の支援として、授乳相談外来を行っています

日時 金曜日 午後13時-17時 完全予約制(1人1時間)
場所 中央棟4階東病棟(産婦人科病棟)
担当 助産師(国際認定ラクテーションコンサルタント、アドバンス助産師)
参加費 初回4,000円、2回目以降3,000円
内容 ・母乳育児を希望しているが不安がある方
・母乳の量が少ないのではないかと心配な方
・混合栄養中であるが母乳への移行を希望している方
・乳房トラブル(乳頭痛、乳頭亀裂など)があり授乳が大変な方
・上の子の授乳がうまくいかなかったために心配な方
・卒乳・断乳相談 等

※予約制になっておりますので産婦人科病棟へ電話で予約をお取りください

⑥地域連携について

当院では、お母さんと赤ちゃんが退院後に安心して過ごせるよう、地域連携を行い、地域でのサービスの情報提供や連絡を行っています。退院後のサポートに不安がある方はお声かけください。助産師からもお声を掛けさせていただく場合もあります。

専門外来

胎児精査超音波外来 第2・4金曜日午後

当院では、妊娠20週、妊娠28週前後に、妊婦健診にて中期・後期胎児スクリーニング超音波検査を行っています。その際に胎児異常が疑われた場合や、他院で異常が疑われ紹介となり、精査が必要と判断した場合に胎児精査超音波を行っています。精査の結果、より高次な周産期専門施設での精査、治療が必要と判断した場合は、神奈川県立こども医療センターや横浜市立大学附属病院市民総合医療センター等にご紹介させていただくこともあります。

遺伝相談外来 毎週金曜日午後

出生前診断を中心に、遺伝に関しての説明、検査を行う外来です。ご夫婦に出生前検査について情報提供を行い、ご希望に合わせて検査を進めていきます。当院では、クワトロ検査、羊水検査を行うことが可能です。(NIPT 新型出生前診断を希望される方は、横浜市立大学附属病院へご紹介しています)

女性健康外来 毎週月曜日・木曜日午後

主に女性のヘルスケアとして、骨粗鬆症、更年期障害に対しての治療を行っています。

骨粗鬆症は閉経後に増加する女性に多い疾患の一つです。当院ではDEXA(デキサ)法のX線骨密度測定器を導入して骨密度検査を行っております。

骨粗鬆症の検査から、実際に骨量低下、または骨粗鬆症と診断された場合は、生活指導(食事と運動)から薬物治療を行っていきます。骨粗鬆症の薬剤、内服薬(飲み薬)から注射剤まで何種類もあり、患者様にあった治療を選択し、定期的に骨密度の測定を行いながら治療効果を確認していきます。

更年期障害に対しては、漢方薬、ホルモン治療を行っています。ホルモン治療も患者様の症状、年齢によって選択肢が分かれるため、個々に相談しながら治療方法を決めていきます。

婦人科

良性腫瘍

子宮筋腫、子宮内膜症、良性卵巣腫瘍などに対し、内服治療や手術治療を行っています。手術治療は、内視鏡手術(腹腔鏡手術、子宮鏡手術)を中心に行っています。腫瘍の大きさ等により、開腹手術、腟式手術も行っていますが、基本的には低侵襲手術を目指しています。

子宮・卵巣の良性疾患

子宮筋腫、子宮腺筋症といった子宮良性疾患、良性卵巣腫瘍に対しては、腹腔鏡手術、子宮鏡手術といった内視鏡手術を積極的に行っています。

子宮鏡手術は、子宮内膜ポリープ、子宮粘膜下筋腫などの子宮内の病変に対して、2、3日の入院で手術を行っています。腹腔鏡手術は、子宮筋腫、良性卵巣腫瘍、異所性妊娠(子宮外妊娠)などに対して行っており、4日~6日の入院となります。

まずMRI、CTといった画像診断を行い、適切な治療方法、手術術式を、患者様に応じて決定していきます。筋腫、卵巣腫瘍の大きさによっては開腹手術をお勧めする場合もあります。開腹手術の場合は、術後約1週間程度で退院の予定となります。

卵巣腫瘍茎捻転、卵巣腫瘍破裂、異所性妊娠などの緊急手術が必要な場合、時間外でも腹腔鏡手術での対応が可能ですが、患者様の状態、緊急性により開腹手術、腹腔鏡手術の決定を行って治療を進めています。

月経困難症(生理痛)、過多月経など、月経症状に対する治療、子宮内膜症・内膜症性嚢胞(チョコレート嚢腫)に対する治療は、手術療法以外に様々なホルモン治療の選択肢が増えています。個々の症状、病態に応じホルモン治療の薬剤は選択されるため、外来にて担当医と相談のうえ治療の選択をしていただければと思います。

内視鏡手術

当院での婦人科内視鏡手術は、腹腔鏡手術、子宮鏡手術、ロボット手術を行っています。腹腔鏡手術、ロボット手術は、3~5か所腹部に5~15mmほどの切開を加え、おなかの中(腹腔内)に内視鏡(カメラ)を入れて、手術操作のための鉗子(かんし)やハサミを挿入する筒(ポート)を挿入し、炭酸ガスでお腹を膨らませて(気腹)、内視鏡で腹腔内を観察しながら手術を行います。従来の開腹手術に比べ傷が小さいので、身体への負担が少なく、早期退院、早期社会復帰が可能です。子宮筋腫、子宮内膜症、良性卵巣腫瘍、異所性妊娠(子宮外妊娠)などの疾患に行っています。また、2019年4月より、子宮筋腫、子宮腺筋症といった良性疾患の子宮全摘術、初期の子宮体癌などに対し、ロボット支援下子宮全摘術も行っています。また、2023年からは腟式腹腔鏡手術(vNOTES)を始めました。この手術は、お腹に傷のつかない腹腔鏡手術で、粘膜下筋腫、子宮内膜ポリープなどの比較的小さい子宮に対しての子宮全摘術を、腟の方から操作を行う腹腔鏡手術です。腹部に傷がないので、術後2日目で退院が可能です。

子宮鏡手術は、子腟部より直径10mmの内視鏡を子宮内に挿入し、子宮内部にある病変、子宮内膜ポリープ、粘膜下筋腫などを処理する手術です。お腹に傷がないので、術後の回復が早いメリットがあります。

様々な手術術式がありますが、患者様にあった手術方法を相談しながら決定していきます。

悪性腫瘍

子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌の3大婦人科悪性腫瘍をはじめ、腹膜癌、外陰癌、腟癌などの婦人科悪性腫瘍の治療を行っています。手術治療、抗癌剤治療(化学療法)、放射線治療から、分子標的薬治療、免疫療法といった最新の治療も取り入れています。

手術は、開腹による広汎子宮全摘術、卵巣癌根治術などから、内視鏡手術(腹腔鏡手術、ロボット支援下手術)まで広く行っており、患者様の病態(進行の程度、病気の種類など)によって治療方法を決定していきます。

当院のがん治療の原則は、日本産科婦人科学会、日本婦人科腫瘍学会から発刊されている悪性腫瘍治療ガイドラインに従って治療を行っています。また、婦人科癌手術においては、外科、泌尿器科と連携体制をとっており、また病理専門医が常勤しているので、迅速診断が必要な場合も対応が可能です。当院には緩和支持療法科があるため、終末期だけではなく、治療中から緩和ケアチームと連携を取りながら、疼痛コントロール、副作用対策などが可能です。治療開始から、終末期医療まで一貫した診療体制が取れるようになっています。

当院では高圧酸素治療が可能です。放射線治療の晩期障害である膀胱出血、消化管出血に対し、ME科(臨床工学技士)に治療を依頼しています。治療を希望される患者様が、治療中の担当医師より、治療経過を記載した紹介状を作成していただき、産婦人科外来にお問い合わせください。

子宮頸癌

子宮頸癌に対しては、診断として、細胞診、コルポスコープ診と組織診といった病理組織診断に加え、MRI、CTなどにより診断を行い、個々の病状に応じた治療法を選択しています。

  1. ①異形成:軽度~中等度異形成の場合は、自然に消失する場合もあり経過観察とします。この場合、子宮頸癌の原因ウイルスであるヒトパピローマウイルス(HPV: human papilloma virus)の型判定を行い、ハイリスクタイプ陽性の場合は慎重経過観察となります。高度異形成の場合、癌へと進行する確率が高くなるため、円錐切除術を行います。円錐切除術は、電気メスで腟部を円錐形に切り取る手術です。
  2. ②上皮内癌:上皮内にのみ癌細胞がみられる状態で、子宮本体に浸潤していない状態なので転移の心配はありません。治療としては円錐切除術を行います。場合によっては、引き続いて子宮全摘術(腹腔鏡手術、開腹手術、ロボット手術)を行うこともあります。
  3. ③浸潤癌:癌の進行程度により進行期ステージⅠ~Ⅳが決定し、進行期により治療方法が異なります。
    手術は癌の進行程度により、単純子宮全摘術から、子宮周囲の靭帯リンパ節まで広汎に切除する広汎子宮全摘術を行っています。術後、または手術不可能な進行がんの場合は放射線治療や、化学療法併用放射線治療を行います。

子宮体癌

子宮体癌に対しては、細胞診、内膜組織診、MRI、CTの検査結果より診断し進行期を決定、個々の進行期に応じた治療法を選択しています。基本は手術治療が優先されます。

手術治療は、子宮全摘+両側付属器(卵巣+卵管)に加え、骨盤リンパ節、場合によっては傍大動脈リンパ節の郭清(摘出)を追加する場合もあります。開腹手術に加え、初期癌に対しては、腹腔鏡手術、ロボット手術も行っています。術後、再発リスク高いと判断される場合は、化学療法を行います。

卵巣癌

卵巣癌に対しては、超音波、MRI、CTといった画像診断により、大きさ、形態・性状を検査します。血液検査において、腫瘍マーカー(CA125、CA19-9、CEA、LDH、HE4など)が高値になることがあるため、画像診断と併用し診断します。

卵巣は腹腔内の臓器であるため、手術前に組織診断が困難です。よって、画像診断で卵巣悪性腫瘍が疑われる場合は、手術によって病変を切除し病理診断を行って診断がつきます。

術前に腹水貯留があり、腹水から癌細胞が検出されて、卵巣癌と診断される場合はありますが、通常は術前に癌であるか判明していないので、術中に迅速病理診断を行い、その結果で術中に術式を決定します。

基本手術は、子宮全摘術+両側付属器切除術+大網切除術、症例によっては骨盤~傍大動脈リンパ節郭清が追加されます。

妊娠・出産を強く希望される場合、若年者の場合は、子宮と対側の卵巣を温存する縮小手術も考慮されますが、進行期や病理学的分類にもより個々に対応が必要となります。

手術後、または手術を行う前に化学療法を行う場合があります。使用する薬剤は、治療ガイドラインに沿って選択し、いくつかの薬剤の組み合わせにより治療を行います。

卵管癌・腹膜癌・絨毛癌

卵管癌・腹膜癌は、組織型などが卵巣癌を類似しているため、卵巣癌の治療に準じて治療を行っています。

絨毛癌は、妊娠の後(正常妊娠、流産、胞状奇胎など)に発生することがある癌です。病理組織検査で診断を行い、いくつかの診断基準を満たすことで臨床的に診断される場合があります。メトトレキサートMTXを中心とした化学療法により治療を行います。手術治療が必要な場合もあります。

手術実績

婦人科手術 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
開腹手術 広汎子宮全摘術
準広汎子宮全摘術
単純子宮全摘術
5
12
23
4
19
30
4
15
50
3
14
28
2
2
32
子宮筋腫核出術 4 5 9 4 5
附属器手術 良性
      悪性
19
21
10
19
18
28
10
15
12
16
その他 15 2 13 4 0
腹腔鏡下手術 単純子宮全摘術
準広汎子宮全摘術
63
0
68
1
68
0
84
2
91
4
附属器手術 88 98 77 90 85
子宮筋腫核出術 25 17 11 8 13
その他 15 8 16 8 4
ロボット手術 子宮全摘術 6 8 6 8 2
子宮鏡手術 ポリープ・筋腫摘出 16 17 14 14 15
腟式手術 円錐切除
その他
40
59
21
57
37
76
53
73
29
68
2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
子宮頸癌
(CIS・AISを除く)
7 7 7 9 6
子宮体癌
(AEHを除く)
25 28 36 25 23
卵巣癌 18 18 18 22 17
その他の癌 5 2 2 7 0

面会について

面会は、パートナー、ご両親、上のお子様のみとなっています。それ以外の方の赤ちゃんとの面会は、感染予防のためご遠慮いただいております。

面会時間に制限があります、詳しくは病院ホームページで確認をお願いいたします。

病棟入口はセキュリティのため施錠されおり、自由な出入りができないようになっています。面会来院時は、入口のインターホンを押してください。

中央棟4階東病棟入口

さい帯血採取について

当院は公的さい帯血バンクの採取協力施設です。

採取については、妊婦健診中(妊娠32週頃)に医師より説明します。

日本産科婦人科学会データベース登録事業の実施

現在、当院の産婦人科では、日本産科婦人科学会と共同で臨床研究『日本産科婦人科学会データベース登録事業(周産期登録・婦人科腫瘍登録)』を実施しています。そのために、当院で保管する診療情報を匿名化して日本産科婦人科学会に提供しております。

氏名 永田 智子
役職

部長

医師資格

日本産科婦人科学会専門医・指導医
日本内分泌学会内分泌代謝婦人科専門医
日本思春期学会評議員
日本婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医
マンモグラフィー読影認定医
母体保護法指定医
難病指定医
新生児蘇生法一次コースインストラクター
日本女性医学会暫定指導医

所属学会

日本産科婦人科学会
日本内分泌学会
日本思春期学会
日本婦人科内視鏡学会
日本周産期新生児学会
日本遺伝カウンセリング学会
日本婦人科ロボット学会
日本女性医学学会
日本産婦人科手術学会

氏名 古野 敦子
専門

腫瘍・内視鏡手術

医師資格

日本産婦人科学会専門医・指導医
日本産科婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医
癌治療認定医
母体保護法指定医
婦人科腫瘍専門医

所属学会

日本産科婦人科学会
日本産科婦人科内視鏡学会
日本臨床細胞学会
日本婦人科腫瘍学会

氏名 内田 絵梨
役職

医長

医師資格

日本産科婦人科学会専門

所属学会

日本産科婦人科学会
日本周産期新生児学会
日本婦人科内視鏡学会
日本思春期学会
日本産科婦人科遺伝診療学会

氏名 鈴木 絢
役職

医長

専門

日本産科婦人科学会専門医
日本産科婦人科内視鏡学会認定技術認定医
がん治療認定医

所属学会

日本産科婦人科学会
日本産科婦人科内視鏡学会
日本女性医学会

氏名 宮本 麻美
役職

医長

医師資格

日本産科婦人科学会専門医

所属学会

日本産科婦人科学会
日本女性医学学会
日本産科婦人科遺伝子学会
日本産科婦人科内視鏡学会

氏名 佐藤 理穂
役職

医長

医師資格

日本産科婦人科学会専門医

所属学会

日本産科婦人科学会
日本産科婦人科内視鏡学会
日本女性医学学会

氏名 清瀬 愛
医師資格

日本産科婦人科学会専門医

所属学会

日本産科婦人科学会
日本産科婦人科内視鏡学会
日本女性医学会
日本婦人科腫瘍学会

氏名 平井 佑子
所属学会

日本産科婦人科学会

氏名 筒井 妙美
所属学会

日本産科婦人科学会
日本周産期・新生児学会
日本思春期学会

外来医師担当表